O h t a k e L a b ., Y o k o h a m a N a t. U n i v.

▍ 教員紹介    ▍ メンバー    ▍ 研  究    ▍ 出版論文    ▍ 学会発表    ▍ その他成果    ▍ 講  義    ▍ ホ ー ム

++ 当研究室を希望される学生さん向けに、別ページで ++
++ やさしく研究内容や研究室の特徴をご説明します ++
++ 下の「まぐねっと・ぼーや」をクリック! (準備中) ++
+++ 高機能な磁性・スピントロニクス材料の創製により、
エネルギー問題の解決に取り組み、超スマート低炭素社会を推進します +++
まぐねっと・ぼーや  磁性・スピントロニクス材料は、モータやトランスなどのパワエレ機器から、情報記録デバイスや量子コンピュータに繋がるキーデバイスまで、幅広い応用分野で重要な役割を果たしています。 そして、材料の特性向上や新機能発現は、機器の高効率化や記録デバイスの大容量化、新デバイスの実現に繋がり、省エネルギー社会の推進に直結してきます。 また、近年では、ワイヤレスIoTデバイスの自己発電を可能にさせるエネルギー・ハーベスティング・デバイスにおいて、 逆磁歪効果を用いた振動発電や異常ネルンスト効果を用いた熱電変換で新たな磁性・スピントロニクス材料の活用が期待されており、 超スマート社会を構築していく上でも欠かせない材料となっています。 そのため、高機能な磁性・スピントロニクス材料の創製は、これらエネルギー問題の解決に繋がる重要技術課題となっています。
 特性向上や新機能発現のためには、材料が潜在的に持つ性質を十分に引き出すことが大切で、構造をナノから原子レベルで制御することが鍵となります。 本研究室では、熱的非平衡の状態領域で、結晶構造や格子内元素配置、ナノ構造を制御し、更に、多元素化によるシナジー効果を利用することで、 高機能磁性・スピントロニクス材料の創出に取り組んでいます。 研究目的を基本物性解明から応用展開までとし、一連の元素を体系的に扱い、結晶構造や原子間結合の特徴を踏まえることにより、 各種磁性・スピントロニクス材料の結晶成長機構の解明と形成技術の基礎構築を行っています。
 具体的には以下に示すような研究を行っています。
  • [基礎研究]
  • 磁性・スピントロニクス材料のエピタキシャル成長メカニズムの解析と磁気・スピン特性制御
  • 準安定構造を持つ磁性・スピントロニクス薄膜の創生と安定構造への変態メカニズム解析
  • 回転磁界および交番磁界中における磁性材料の磁化と磁歪挙動の解析
  • [応用研究]
  • EVモータの高効率化に向けた軽元素添加と結合状態制御に基づく新規軟磁性材料の創生
  • 重希土類フリーEVモータ用永久磁石材料の創製
  • トランスの低損失化と低騒音化を実現させる低磁歪鉄基合金材料の創出
  • Tb/in2級の超高密度磁気記録への展開に向けた磁性規則合金による記録媒体の作製技術
  • 量子ストレージへの応用に向けた窒化物スピントロニクス材料の創出
  • 磁歪式および新規振動発電デバイスの開発と適用可能な磁性材料の探索
  • 熱電変換デバイスへの応用に向けたスピントロニクス材料の探索
キーワード:
磁性・スピントロニクス材料,エピタキシャル成長,結晶成長,結晶学,相変態, 薄膜,分子線エピタキシー,スパッタリング,真空技術,めっき, 磁気・スピン物性,マグネティクス,スピントロニクス, 電子回折,X線回折,レーザ計測,回路, エネルギー・ハーベスト,環境発電,振動発電,熱電変換,超スマート社会, 電磁エネルギー変換,モータ,トランス,電気自動車,低炭素社会, 磁気抵抗メモリMRAM,ハード磁気ディスクHDD,量子ストレージ,未来社会
PageTop
: : : 材料作製・処理装置 : : :
++ 超高真空マグネトロン・スパッタリング装置 ++
(Eiko製, 一部研究室改造, 一部Kenix改造)
UHV magnetoron sputtering sysytem
スパッタリングを行う超高真空チャンバー(4×10-7 Pa以下)とRHEED(反射高速電子回折)による原子配列の解析、逆スパッタ、試料交換を行うチャンバーから構成される装置です。 3 inchカソード(リボルバー式5ターゲット)と2 inchカソードを備えているため、複雑な層構成のエピタキシャル膜を作製でき、 更に、RHEED装置を搭載していることから、通常のスパッタリング法では容易でない結晶核生成や原子層レベルでの結晶成長の制御を行うことができます。 この装置は、DCとRFの両方の電源を備えており、これらを重畳させてスパッタリングさせることもできます。 また、複数種のガスを同時に導入できるため、反応性スパッタリングも行うことができます。
マニュアル(研究室のみ)  
++ 極高真空分子線エピタキシー装置 ~MBE1号機~ ++
(Eiko製, 一部研究室改造)
EHV molecular beam epitaxy (MBE) system I
極高真空チャンバー(7×10-9 Pa以下)において、RHEED(反射高速電子回折)で表面構造をリアルタイムでモニタリングしながら、エピタキシャル膜を成長させることができます。 結晶核が生成されるまさにその瞬間の様子を観察することができ、また、界面近傍での結晶構造や格子歪も瞬時に把握することができます。 そのため、新しい材料の創出や、構造制御が難しい材料の作製に適しています。 この装置には、原料をセットするポートが4つあり、EBガン(3 kW)とKセルの組み合わせによる多元蒸着も可能です。
マニュアル(研究室のみ)
++ 超高真空分子線エピタキシー装置 ~MBE2号機~ ++
(Riber製, 研究室改造)
UHV molecular beam epitaxy (MBE) system II
上記分子線エピタキシー装置Ⅰと同様な機能を有し、超高真空チャンバー(4×10-7 Pa以下)において、 RHEED(反射高速電子回折)で表面構造をリアルタイムでモニタリングしながら、エピタキシャル膜を成長させることができます。 この装置には、原料をセットするポートが6つあるため、多元蒸着に適しており、系統的に合金組成を変化させる実験も行うことができます。
マニュアル(研究室のみ)
++ 高真空アークプラズマ蒸着装置 ++
(研究室自作, ULVAC/アドバンス理工製プラズマガン使用)
High-vacuum arc plasma evaporation system
パルスアーク放電を利用するため、プロセスガスのArなどを用いずに、高真空中で原料をプラズマ化させることが出来ます。 また、抵抗や電子ビームによる加熱蒸着に比べて、蒸着可能な原料の選択幅が広く、合金も扱うことが出来ます。 ただし、導電性がある材料に限られます。 そして、製膜速度が速く、更に、飛来粒子のエネルギーが高いため、基板と膜の密着性も高い、といった特徴があります。 そのため、数~10 μm程度の厚膜の形成に適しています。
マニュアル(研究室のみ)
++ パドル電解/無電解めっき装置 ++
(山本鍍金試験器製)
Paddle electro/electroless plating system
めっき法は、スパッタや蒸着などの気相成長法に比べて、形成できる膜の純度は低下するものの、製膜速度が極めて速いため、数十μm以上の厚膜の形成に適しています。 また、揺動装置(電解めっきは水平、無電解めっきは垂直)を用いてめっき液を撹拌し、基板上に均質に材料を析出させことが可能であるため、1リットルの水槽で比較的大きな面積の膜を形成することが出来ます。 めっき条件としては、めっき液の構成原料に加えて、温度、pH、電流密度等を制御します。
マニュアル(研究室のみ)
++ 高真空磁場中熱処理装置 ++
(研究室自作)
High-vacuum heat treatment system under magnetic field
高真空かつ磁場中で熱処理を施すことにより、酸化を抑制した状態で試料に誘導磁気異方性を付与することが出来ます。
マニュアル(研究室のみ)
++ 恒温恒湿器 ++
(ESPEC製 SH-222)
Temperature and humidity control chamber
-20~+150℃の温度、30~95%rhの湿度の範囲で環境を制御でき、試料の耐食性の試験を行うことが出来ます。
マニュアル(研究室のみ)
PageTop
: : : 構造解析装置 : : :
++ 反射高速電子回折装置 ++
(ARIOS製 303-EGなど)
Reflection high-energy electron diffraction (RHEED) system
15 kV程度で加速した電子線を試料表面に数度程度の極浅い角度で入射し、回折を起させることにより、広域の2次元逆格子マップを得ることが出来ます。 表面の原子層レベルでの結晶構造や結晶方位、格子定数、格子歪といった結晶特性に関する情報を把握することできるため、 エピタキシャル成長制御を行う上で強力な構造評価法となります。 また、in-situでの評価も可能であるため、結晶成長中や相変態の挙動なども捉えることが出来ます。
マニュアル(研究室のみ)
++ X線回折装置 ++
(YNU機器分析評価センター利用,Rigaku製 SmartLab)
X-ray diffraction (XRD) system
Cu-Kα線を用いた面外(2θ/ω),面内(2θχ/φ),反射率,極点図形,逆格子マッピングの測定が可能なX線回折装置です。 面外測定では膜表面と平行な格子面,面内測定では膜表面と垂直な格子面に対して回折を起させることができ,結晶構造の確認や格子定数、配向分散、規則度の定量解析を行うことが出来ます。 反射率測定では膜厚,密度,層構造,界面粗さなどの情報が現れます。 極点図形や逆格子マッピング測定では配向性やエピタキシャル方位関係を確認できます。
マニュアル(研究室のみ)
++ X線光電子分光装置 ++
(YNU機器分析評価センター利用,ULVAC-PHI製 Quantera SXM)
X-ray photoelectron spectroscope (XPS)
別名、エスカ(ESCA: Electron spectroscopy for chemical analysis)とも呼ばれ、軟X線を照射することにより物質から放出される光電子を検出し、エネルギー測定を行います。 そのため、軽元素を含むほぼ全ての元素の組成分析が可能であり、更に、化学結合状態も調べることが出来ます。 また、測定領域は表面から数nm程度の深さに限られますが、スパッタエッチングを組み合わせることにより、深さ方向の分析も可能です。
マニュアル(研究室のみ)
++ 原子間力顕微鏡 / 磁気力顕微鏡 ~SPM1号機, 2号機~ ++
(SII Nano Technology製 SPI4000/SPA-300HV)
Atomic force microscope (AFM)
/ Magnetic force microscope (MFM) I & II
探針と試料間に作用する物理量を検出し、微小領域の形状や物性を測定する走査型プローブ顕微鏡です。 原子間力を用い、表面形態を観察するものが原子間力顕微鏡で、試料表面に対して垂直方向の分解能は極めて高く、条件の最適化により面内方向も原子分解能を持ちます。 一方、磁性探針と試料との間に働く磁気力を用い、磁化状態を観察するものが磁気力顕微鏡で、研究室自作の磁性探針により世界トップレベルの空間分解能を実現しています。
マニュアル(研究室のみ)
++ 電界放出形走査電子顕微鏡
/ エネルギー分散型X線分光装置 ++
(YNU機器分析評価センター利用,日立ハイテク製 SU8010)
Field-emission scanning electron microscope (FE-SEM)
/ Energy dispersive X-ray spectroscope (EDS)
走査電子顕微鏡は、試料に電子線を照射し、発生する二次電子等を利用して、形体観察を行う顕微鏡です。 焦点深度が深いため、3次元的な像を取得できます。 また、電子線照射時に試料から発生する特性X線を利用して、組成分析を行う装置がエネルギー分散型X線分光装置です。 この分光装置では、軽元素を除く元素を評価することが出来ます。
マニュアル(研究室のみ)
PageTop
: : : 磁気物性評価装置 : : :
++ 試料振動型磁力計 ++
(東英工業製 VSM-P7)
Vibrating sample magnetometer (VSM)
一定振動数および一定振幅で試料を単振動させ、試料近傍に設置された検出コイルに生じる誘導起電力により高感度で磁化を検出する磁力計です。 電磁石により静磁界を発生させ、プラスからマイナス、マイナスからプラスへと掃引することにより、磁化曲線を描くことが出来ます。 磁化検出感度は2×10-6 emuで、現在使用している印加磁界強度は10 kOe(1 T)までとなっています。
マニュアル(研究室のみ)
++ 交番磁界印加式 B-Hカーブ測定装置
/ 歪ゲージ検出式 磁歪測定装置 ++
(研究室自作)
B-H curve measurment system using alternating magnetic field
/ Magnetostriction measurment system using strain gauge
励磁用コイルで試料に交番磁界(~1000 Hz)を印加し、試料内の磁束変化を検出コイルで捉え、積分を行うことによりB-H曲線を取得する装置です。 50 mm×10 mmの大型試料も、小片に切断することなく、そのまま測定可能な仕様としています。 また、歪ゲージを用いることにより、バルク材料の磁歪測定も行うことが出来ます。 印加可能磁界強度は1 kOe(100 mT)強で、軟磁性材料を対象にしています。
マニュアル(研究室のみ)
++ 回転磁界印加型 磁性薄膜用 磁歪測定装置 ++
(ネオアーク製)
Magnetostriction measurment system
under rotating magnetic field for magnetic thin film
小型暗室内の除振台上に設置された安定化He-Neレーザを用いた高分解能レーザドップラー変位計により、片持ち梁状にした試料の反り量を計測します。 また、回転磁界を用いるため、初期磁化状態を考慮せずに、磁歪定数を評価することが出来ます。 更に、高感度であるため、剛性の高いMgOなどの単結晶の上にエピタキシャル成長させた単結晶膜の磁歪特性評価も可能です。 印加可能磁界強度は1.2 kOe(120 mT)です。 なお、変位量が大きな厚膜の磁歪測定には、後述のフィゾー干渉計検出式 磁歪測定装置を用います。
マニュアル(研究室のみ)
++ フィゾー干渉計検出式 磁性厚膜用 磁歪測定装置 ++
(研究室自作)
Magnetostriction measurment system
using Fizeau interferometer for magnetic thick film
フィゾー干渉計により、片持ち梁状にした試料の反り量を計測します。 フィゾー干渉計は、マイケルソン干渉計等に比べて、参照光と測定光の共通光路が多く、外乱の影響を受けにくいため、高分解能が必要となる磁性膜の磁歪測定に適しています。 また、この磁歪測定装置では、レーザー室、干渉室、干渉縞観察室を分離することにより、温度変化による影響を極力低減させた仕様にしています。 なお、前述の回転磁界印加型 磁歪測定装置と同等な測定分解能を持ちますが、変位量が小さな薄膜の磁歪測定には、セットアップが容易な回転磁界印加型 磁歪測定装置を用います。
マニュアル(研究室のみ)
++ 振動発電評価装置 ++
(研究室自作)
Characterization system for vibration power generation
振動数(~300 Hz)と加速度(~2 G)が可変な振動発生装置と空間磁場を均一に制御できるヘルムホルツコイルを組み合わせた電磁誘導式および磁歪式の振動発電評価装置です。
マニュアル(研究室のみ)
PageTop
: : : その他装置 : : :
電気抵抗測定装置
電子天秤
光学顕微鏡・実体顕微鏡
研磨装置・ボール盤・ダイヤモンドカッター
PageTop